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古い物件も大事な引越し先候補としてとらえるには。

築年数が古いから、家賃が安い。 これは、賃貸不動産においてはごくごく一般的な常識と言っていいでしょう。 引越し先を考えている人の中には「築年数が10年未満の物件」などといった条件を指定する人も多いのですが、築年数が古いからと言って設備的に悪い…ということにはなりませんし、逆に築年数が新しくても、年代によっては手抜き工事に近い物件もあったりするのです。

例えば…。 バブル時代と言えば、今から20~25年前のことです。 この時期に建てられた物件は築年数で言うと20年以上前という比較的古い部類の物件になるのですが、そうだからと言って物件自体がしっかりしていないとは限りません。 当時は、不動産の価値が非常に上がりやすかったということもあって、物件を建てる際にけっこう高級な素材を使用して建てられた物件も多いのです。 不動産の賃貸物件に限らず、例えばこの時期に造られた家電製品も、高価な部品を使用していたりするので、壊れにくかったりします。 今の家電は、比較的壊れやすいのですが、それはメーカーが製造コストをおさえるために、安価な部品を使用していたりするからです。 安いのだから、壊れたら買いかえればいい。 そういった風潮を助長しているのかどうかは分かりませんが、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた品質はどこへやら。 海外のメーカーに押されてしまっているというのが現状です。 液晶テレビの世界シェアを見ても、韓国や台湾のメーカーに大きく水をあけられているのが現状です。 これは、家電にだけ当てはまることではありません。 不動産賃貸住宅に関しても、同様のことが言えるのです。

例えば、ここ2003~2008年の5年間では、北京オリンピックや上海万博による経済効果で建設ラッシュが続いた中国に、住宅建材が高値で買われていくという状態でした。 そのような状態で、日本の住宅メーカーが建材を確保するためには、買い負けないようにもっと高額で建材を仕入れなければならないのです。 そうしたことから、この5年間は常に住宅建材の高騰が続いていました。 2007年のリーマンショック、世界同時不況になって住宅建設需要が落ち込み、それに伴って住宅建材の価格が落ち着くまではそういう状態が続いていたのです。 そういう状態では、あまり高価な建材を使用するわけにはいきません。 バブルのころと違って、不動産の価値が右肩上がりなんてことは到底考えられませんから、住宅建設にかけるコストも押さえなければならないのです。 結果として、このころに造られた住宅の多くが、バブル期に建てられた住宅に比べると品質は悪いものが増えてしまいました。

・高価な建材をふんだんに使って贅沢に建てられた築25年の住宅

・建設コストをおさえるために安価な建材で、耐震強度ギリギリの設計のもとに建てられた住宅

あなたはいったいどちらに引越したいと思いますか? それでも新しい物件の方が…という人は、それを選んでもいいでしょう。 新しい物件だからと言って、全てが粗悪で安価な住宅建材で建てられているというわけではありませんから。 むしろ、考えなければならないのは、築年数が古いからと言って極端に物件の価値を下に見るということの危うさです。 今のところ、多くの人間が「築年数の古い物件=物件の価値がそうとうに下落している」という見方をしているからこそ、物件の家賃相場が新築物件に比べて安く設定されがちなのはまぎれもない事実です。 ですが、家賃が安いというのは事実であったとしても、物件の価値がそんなに下がっているかどうかは、物件次第。 きちんと探せば、それなりにしっかりした物件を、安い家賃で借りることが出来るということなのです。

こうした考え方が出来て初めて、築年数にこだわった物件も引越し先の候補として検討できるのではないでしょうか?